エネルギー関連ニュース
“停電中でも使える”ガス給湯器
さらに、携帯電話も充電できます
2015年1月
“停電中でも使える”ガス給湯器が登場していることをご存知ですか。リモコンで操作するガス給湯器は、100V電源を利用しているので、これまで停電中は使えませんでした。そこで、東日本大震災のあと、高効率ガス給湯器「エコジョーズ」に、停電でも使えるタイプが誕生し、普及が始まっています。
バックアップ用の電源ユニットを内蔵
エコジョーズは、排熱を回収して利用することで、燃焼効率をそれまでの80%から95%にまで高め、その分、省エネ・省コストを実現したガス給湯器。現在では、ほぼすべてがこのタイプに移行しています。
このエコジョーズに新たに登場した“停電中でも使える”タイプは、「停電時自立型」と呼ばれ、長府製作所(本社・山口県下関市)から、2014年3月に発売されました。
大きな特徴は、停電したときのために、バックアップ用の電源ユニット(バッテリー、容量288wh)を内蔵していること。4人家族の場合で、1日1回、3日間まで、給湯とシャワーが使えるように設計されています。
また、この電源ユニットには100Vコンセントが付いているので、携帯電話などの充電もできます。
停電でも使えた! お客様から感謝の声
この停電時自立型のエコジョーズには、お湯張りから追い炊き、保温を全自動で行うセミオートタイプ(20号、24号)と、この3機能に加えて足し湯まで全自動で行うフルオートタイプ(24号)があります。停電時自立運転のときは、機能が限定されます。本体価格(税抜)は40万円台。 メーカーには、「突然の停電でも、お湯が使え、仕事で汚れた主人も汗を流せました」(栃木県・Sさん)、「まれにみる大雪で突然、停電。電池がなくなっていた携帯電話を給湯器で充電でき、家族と連絡がとれました」(茨城県・Aさん)などといった声が寄せられているといいます。
LPガスは“いつも備蓄されています”
LPガスの供給は、戸建住宅の場合、一般に容器を2本使用して行われています。これは、1カ月ほどの余裕をもって配送されているためで、その残量分が常に備蓄されていることになります。 このため、停電しているうえ、交通網までストップしていても、ガス設備が損傷していない限り、LPガスは安心して利用できます。
ガスコンロやほかのガス機器は?
では、ガスコンロは使えるのでしょうか。市販されている多くが電池着火式なので、多くのご家庭では停電しても大丈夫。
ほか、ガスで電気とお湯をつくる燃料電池(エネファーム)や、ガスエンジンで電気をつくり排熱を給湯に利用する機器(エコウィル)、さらに事務所や店舗等向けのガスエアコン(GHP)も、東日本大震災のあと、停電時自立型の開発・販売が進んでいます。
LPガス発電機も普及中、電化住宅ではカセットで備え
LPガスはガソリンや灯油などと違い、長期間保存しても劣化しません。このため、東日本大震災のあと、LPガスで電気をつくるLPガス発電機を購入するご家庭や施設も増えつつあります。
オール電化世帯では、煮炊きができない“苦い経験”から、カセットコンロを備えるご家庭が一般化してきています。やはり、エネルギー供給の「最後の砦はLPガス」(新・エネルギー基本計画)ということでしょうか。